教育目標
コンピュータをいろんな分野でほんとうに役立たせる技術を学びます.コンピュータ応用技術は社会,環境,産業システムなどさまざまな分野で根幹をなす重要な技術です.コンピュータ応用工学科では「実社会における機器やシステムへコンピュータを高度に応用するための知識と技術を有し,社会に貢献できる人材」を育成します.そのために,以下にあげる素養を身につけることを目指して教育します.
コンピュータと電子システム技術の発展に適応できる基礎知識を持つ.
コンピュータのハードウェアとソフトウェアの技術をバランスよく備える.
コンピュータが取り扱う幅広い分野に関する興味と知識を持つ.
コンピュータと人間・環境とのよりよい関係を作り出す独創性と実現力を備える.
教育分野
ロボット,自動車,家電,… コンピュータ応用技術のフィールドは無限です.コンピュータ応用工学科では以下にあげる専門的な知識と技術を身につけられるよう,カリキュラムを構成しています.
- ロボットに代表される知能化機械の構造や動作原理を理解する力
- 電気自動車などの乗り物の動作原理や駆動装置の原理を理解する力
- コンピュータの構造や原理,および情報処理技術を理解する力
教育方針と特色
ハードとソフトをバランスよく学習して,時代にとらわれない基礎技術を身につけます
コンピュータ応用工学科では以下のような教育方針に基づいた特色あるカリキュラムを用意しています.最先端のコンピュータ応用技術をハードウェアとソフトウェアの両面から修得して活用できる高度技術者の育成が本学科の基本方針です.
1) コンピュータの原理と利用技術の習得
「コンピュータ工学」,「プログラミング入門」でコンピュータの基礎原理・技術を学習し,さらに,「コンピュータアーキテクチャ」ではハードウェア応用技術を学習する.
2) 応用ソフトウェア技術の習得
現代の高度に進化したソフトウェア技術に対応するため,「画像処理」,「基本情報技術」,「コンピュータグラフィックス」,「Webアプリケーション開発」などの科目でソフトウェア応用技術を学習する.
3) 創造性開発と実験実習科目の配置
「コンピュータ応用実験1,2,3」ではコンピュータ応用システムの原理を実験で体験して学習する.また,「システム開発演習」では各自の興味あるテーマに関する応用システムを深く取り扱い,システム開発の難しさや面白さを実感する.
4) 自然科学科目と専門科目についての基礎知識の習得
今後のIT技術の急速な発展にも対応し,技術者として広く活躍できるように数学や物理学など自然科学科目と,「電気電子工学概論」,「電気回路1」,「電子回路」などの専門基礎科目を充実させている.
5) 高度なコンピュータ制御技術の習得
実社会の基盤技術である「基礎制御工学」を学んだ後,さらに質の高い制御技術にも対応できるように,「システム制御工学」などで高度な制御技術を学ぶことができる.
6) ロボティクス技術の習得
近年急速に発展し,身近に利用されるようになったロボットに関連する技術を習得するため,「計測工学」,「基礎ロボット工学」,「ロボット設計工学」,「先端ロボット工学」などを用意している.また,「ロボット開発演習」ではロボット製作のグループワークを行う.
7) ネットワーク技術の習得
現在,コンピュータの制御などにネットワーク技術が欠かせない状況となっている.そこで,「ネットワーク工学」,「情報セキュリティ理論」などを配置し,ネットワーク技術を学べるようにしている.
8) 知能情報システム関連技術の習得
ヒトの高度な情報処理能力の原理を解明してコンピュータシステムに応用することが期待されている.そこで,「知能情報処理」などの科目を配置している.
9) ゼミナール,卒業研究の充実
初年次の「入門ゼミナールA,B」では大学での学修や生活に早く慣れるため,少人数のグループワークを行う.3年次の「コンピュータ応用ゼミナール」では,問題を発見し解決する能力を育成し,学部3年間の学習成果を4年次の卒業研究に集約していく.「卒業研究1,2」では1年間を通して,研究計画の立案,理論体系の構築,実験の実施,まとめといった一連の研究プロセスを体験する.この体験が技術者として将来の基盤となると言える.また,資格取得や就職活動が有利に展開できるようにゼミ教員が指導する.
10) 工業教員免許取得,各種資格取得の準備
本学科において所定の単位を取得することにより,工業高校教員の免許が取得できる.また,基本情報処理技術者試験,メカトロニクス/ロボット検定などの資格取得の対応準備を可能としている